HOME > アロマ環境について > 全国のかおりレポート > No.35 東西両本願寺 仏具店界隈 |
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初夏の京都、ようやく濃さを増した木々の緑に囲まれ、美しくも堂々とした佇まいを見せる西本願寺。JR京都駅から市バスを利用すると「西本願寺前」下車。徒歩なら約15分、タクシーでは5分の所にあります。文字で書けば迷いようもないほど単純ですが、ホテルを出てデパートに寄り、買い物などをしていたため、方角に迷い、多くの方々の親切にも出会うことができました。 平成6年に世界文化遺産に登録された西本願寺は浄土宗本願寺派の本山で、親鸞聖人が開かれた本願念仏の教えを喜び慕う門徒たちによって建てられた大谷廟堂から発展し、天正19年(1591年)に現在の七条堀川に寺基が移転されたものだそうです。 国道1号線、堀川通に面した御影堂門から入ると正面にある御影堂、右手の阿弥陀堂、ともに国の重要文化財であり、さらに、桃山時代の伏見城の遺構といわれる豪華な装飾彫刻を全体に施した四脚門である唐門は、国宝となっています。また、同じく国宝の対面所、飛雲閣など国宝級の建物がいくつも緑豊かな境内の中に配されています。京都に数ある寺院のひとつとはいえ、世界文化遺産、そして国宝ともなると、やはりその佇まいは人の心を打ち、人を感動させるものがあります。信徒ならずとも、すっかり厳かな気持ちにさせられていました。 周辺には、本願寺御用達の仏壇、仏具店が多数軒を連ねています。その数はおそらく何十という単位になるでしょうか。御影堂門に対面した通りに並ぶ一帯、さらに、いく筋かの路地の奥に続く通りというように、それは点、線、面へと広がりをもって、遠い昔から連綿と商われている風情です。西本願寺前珠数屋町の「京念珠、ぜにや」(明治7年、創業130年余)、「香老舗、薫玉堂」(創業400年余)、「本派本願寺御用達、京極仏具店」等々。 ある店で、その店構えなどに興味を引かれ、カメラを向けていますと、店の奥から人が出てきました。「あ、困ったな、どうしよう…」と思案していますと、 「ようお目に止めてくだされました。この文字は“安穏”と書かれておりまして、親鸞聖人がお書きにならはりました字体そのままでございます。まことに有り難いものでございまして、眺めておりますだけで心安穏(やすらか)になるのでございますよ。お仏壇に置かれてお使いいただくものでございますけれど、“額”に入れて飾っておく方もおりますくらいで…」。 これ、何だと思います? 仏壇に置き灯明の火を扇いで消す、手のひらサイズの団扇です。単なる団扇に対してこの口上! 「あ、買います、買います、買わせていただきます、ハイ」 思わず買ってしまいました。確か、600円か700円くらいでした。高かったものやら安かったものやら、ともかく買える値段でホッとしたものです。その反対に、撮影を断られた店もありました。かわいい小さな香入れに思わず見とれ、カメラを向けた店で、「あの、お客さま、撮影はちょっと、ご遠慮いただいております」といわれ、カメラをしまった香具店。その店では逆に、数々の香具のバラエティの豊富さとすばらしさに見とれ、ぐんぐんと引き込まれ店の奥へ奥へと入り、しまいには2階にまで入り込んでしまいました。和、洋さまざまな色、形、香りの線香、そして線香立て。ゆったりとした店内のレイアウト。さりげなく焚かれているお香の香り…。うっとりとして我を忘れ、亡くなった母や、故人となった恩師、知人のことなどに、いつしか思いを馳せておりました。この店では森林の香りの線香、珍しい変わり型の線香立てなど、予定外の細々したものを買い込んでしまいました。 元来、日本人は目に見えない風や水、音、香り、煙など、絶えず変化して同じ形を留めないものを、神や精霊との接点として、聖なるものとする精神文化をもっているといわれています。私がこの香具店で体験したことも、もしかして亡き母の導きがあったのではなかったでしょうか。そんな気がしてならない今度の旅でした。 今回は西本願寺のみの参詣でしたが、次回は東本願寺のほうへも足を伸ばしてみたいと思います。 |

初夏の京都、ようやく濃さを増した木々の緑に囲まれ、美しくも堂々とした佇まいを見せる西本願寺。JR京都駅から市バスを利用すると「西本願寺前」下車。徒歩なら約15分、タクシーでは5分の所にあります。文字で書けば迷いようもないほど単純ですが、ホテルを出てデパートに寄り、買い物などをしていたため、方角に迷い、多くの方々の親切にも出会うことができました。
ある店で、その店構えなどに興味を引かれ、カメラを向けていますと、店の奥から人が出てきました。「あ、困ったな、どうしよう…」と思案していますと、 「ようお目に止めてくだされました。この文字は“安穏”と書かれておりまして、親鸞聖人がお書きにならはりました字体そのままでございます。まことに有り難いものでございまして、眺めておりますだけで心安穏(やすらか)になるのでございますよ。お仏壇に置かれてお使いいただくものでございますけれど、“額”に入れて飾っておく方もおりますくらいで…」。 これ、何だと思います? 仏壇に置き灯明の火を扇いで消す、手のひらサイズの団扇です。単なる団扇に対してこの口上! 「あ、買います、買います、買わせていただきます、ハイ」 思わず買ってしまいました。確か、600円か700円くらいでした。高かったものやら安かったものやら、ともかく買える値段でホッとしたものです。