HOME > アロマ環境について > 全国のかおりレポート > No.23 伊勢神宮参道千年の杜

伊勢神宮参道千年の杜(三重県)
ゆったりとした休日、青空の下、電車に揺られて伊勢に到着。私の中では古くから伊勢といえば美しい伊勢湾、赤福、そして伊勢神宮でした。子どもの頃に家族と一度だけ訪れた記憶は今でも鮮明で、電車を降り伊勢神宮に近づくにつれウキウキしてきました。

伊勢神宮は「お伊勢さん」と呼ばれ親しまれています。正式には「神宮」と呼ばれ、内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)のほか別宮など125社で成り立っています。長い年月の中で現在のような姿になりましたが、1300年前にはほぼ現在と同じ社殿が造られ、第1回の式年遷宮が行われていたそうで、内宮は太陽神でもある天照大神を祭神として2000年の歴史をもっているそうです。『日本書紀』には「天照大神、倭姫命におしえて曰く“この神風の伊勢の国は常世の波の重波の帰する国なり。傍国の美し国なり、この国に居らむとおもう”とのたもう」と書かれていて、『万葉集』には、「神風の伊勢の国は山も河も美しい御食国」とあります。これらのことから、伊勢の地は神話の中でも気候風土と大自然に恵まれた、まさに『美し国・伊勢』だったのでしょう。

そんなことを考えながら伊勢神宮の内宮の鳥居をくぐり、川にかかる宇治橋を渡り、神域へと入っていきました。参道を進んで行くと右手に、元禄5年、徳川綱吉の生母、桂昌院が寄進したといわれる石畳を敷き詰めた五十鈴川岸の御手洗場があります。

古来からのしきたりで、参拝する前に、ここで必ずこの五十鈴川の清流で身も心も清め、さわやかになってお参りするらしく、私もさっそく、そちらに向かいました。風もさわやかなよい天気だったこともあり、川面が吸い込まれるくらいキラキラときれいに輝き、私もそっと手をつけ清め、心もあらためました。

御正殿までの参道には、玉砂利が敷き詰められ、樹齢数百年という杉やヒノキなど常緑樹が囲むように道案内をしてくれます。神苑は約93万uあり、神路山の麓、五十鈴川の右岸に位置します。空からの光と木々の美しさに目を奪われ、言葉数は少なくなっていったのですが、代わりに美しい自然に笑みがこぼれます。神域と宮域林は公立公園に指定されているほどで、常緑樹の香りは心を落ち着かせ、精神が洗われていくような気分になれるのです。三重県の台風といえば強い風が有名ですが、神宮の木々は何事にも動じない力強さと迫力がありました。

御正殿も前の階段に着くと、なつかしさがよみがえってきました。幼い頃、この御正殿の前で撮ってもらった写真が昔から好きで、その写真が私にとっての伊勢神宮の記憶だったのです。昔の記憶のままの30段くらいある階段を上がると生絹の御幌のかけられている外玉垣南御門前で参拝をします。御正殿は、明神造りと呼ばれる建築様式で、高床式の穀倉の形式から発展したものといわれ、そのまま現在まで脈々と受け継がれているのです。

ここに来られたことを感謝しお祈りをすますと、すっきりした気分になりました。足どりも軽くゆっくりと戻ろうとすると、向こうから近づいてくるものがいます。何だろうと目を凝らして見てみると、そこには愛らしい鹿が。それも、親子と見られ数匹が仲よく遊んでいます。またまた心が和み、しばらく鹿の様子をぼ〜っと見ていました。

今回の旅行では、美しい伊勢の風景や自然が私の気持ちをやさしく包み、音、香り、空気、すべてが調和するハーモニーを感じさせてくれ、心が豊かになり、信仰心の薄い私の心を和ませたのはいうまでもありません。立派な樹木に身も心も正されて、清浄な身体の大切さをあらためて感じ、本当に満足の一日でした。

もちろん、帰りにはおかげ横丁で胃がはち切れんばかりの伊勢うどん、赤福などを食べ美し国伊勢も美味し国伊勢も、十分に楽しんだことを付け加えなければなりませんが。またいつか、自分を見つめ新しい風を取り入れるために再び参拝したい伊勢神宮の旅でした。
一覧ページへ戻る
FAQ