HOME > アロマ環境について > 全国のかおりレポート > No.19 羽黒山南谷の蘚苔と杉並木 |
![]() |
| 時折頬をなでる風が乾いた空気を運んでくる、そんな秋を感じる9月の半ばに羽黒山表参道の随神門に到着しました。そこは私が住む山形県酒田市から車で40分ほどのところです。出羽三山(月山・湯殿山・羽黒山)の中では、最も標高の低い山ではありますが、随神門から始まる参道は全長1.7qで、2,446段の長い急な石段からなり、山頂の羽黒山神社まで約50分です。 長い石段の両側には樹齢350〜500年の杉並木が続いており、その数は400本以上で国の特別天然記念物に指定されています。その中には樹齢1000年の「爺杉」もそびえ立っていました。随神門を抜けて少し行くと祓川にかかる赤い神橋があります。この清流は月山に源流を発し、出羽三山を参拝する人々はすべてこの川で身を清めたといわれています。祓川に流れ落ちる須賀の滝は江戸時代、当時の天宥別当が遠く月山より8qの水路を引いてつくったもので「不動滝」と名づけられていました。 杉や苔のしっとりとした香りが、自然の豊かさを滝の音とともに心身に心地よく響きました。しばし歩みを止めて松尾芭蕉の歌をなぞりながら豊かな時を過ごしました。 羽黒山・南谷に…かほり あ・り有難や雪をかほらす南谷(松尾芭蕉) その後も身体を芯から癒してくれる湿った木々と苔の香りを堪能しながら歩きました。参道をそれ、しばらく進んだところにある芭蕉がしばらく滞在した「南谷別院跡」がある南谷へ足を伸ばし、ゆっくりと2時間をかけて山頂に到着しました。途中、お茶屋で「力餅」と「お抹茶」をいただきながら眺めた庄内平野と日本海は圧巻でした。もう少し晴れていれば、日本海に浮かぶ離島の飛島も見えるとのことでした。また、途中の石段には盃やひょうたん、蓮の花などが33個彫られているといわれ、これを全部見つけると願いが叶うといわれています。残念ながら大部分を見つけることはできませんでした。 参道は大きく一の坂・二の坂・三の坂と分かれていましたが、お茶屋のある二の坂までたどり着けば、山頂まではあとわずか。急坂にも足が慣れ、周囲の景色を楽しむ余裕も出てきました。山頂には重要文化財の三神合祭殿(三山の三神を祀る豪壮な建物)がありました。昔から、月山・湯殿山は冬期間積雪のため参拝ができないことから三神を祀るようになったといわれています。私たちも三山の神に祈りをあげ、下山は「奥の細道」道を少し歩き、外側から参道を囲む杉並木を眺めながら約1時間半かけて下りてきました。 次に向かったのは松ヶ丘開墾場です(車で10分くらい)。昼食も兼ねて足を運びました。松ヶ丘開墾場は明治維新後、庄内藩士たちが拓いた緑豊かな大地です。地元庄内鶴岡市出身の作家・藤沢周平の名作を映画化した『蝉しぐれ』(2005年公開予定)のロケ地にもなっています。オープンセットが建てられた田園風景は数百年前にタイムスリップした錯覚を起こさせ、開墾の志士たちの面影と出会えるような気持ちにさせてくれました。開墾場内には瓦葺上州島村式3階建ての蚕室が5棟現存していて、1棟は修復されて記念館になっています。中には陶芸教室・庄内の米づくり用具収蔵庫・ギャラリー・食事処「一翆苑」などがあり、四季を通じて足を運ぶのに楽しみな場所になっています。 昼食には一翆苑の名物であるシルクパウダーを練り込んだ「季節の絹麺」をいただきました。つるんとしたしなやかな麺はそばやうどんやパスタとも違った独特な食感でした。秋ということもあり、麺つゆにはいろいろな種類のきのこが入っていて、このつゆがいっそう麺の味を引き立てていました。平日ということもあり、今回は日帰りでしたが、ゆったりとした自然の中を歩き、よき香りと接し、見て、食して十二分に満足感のある散歩となりました。次の散歩計画を頭に描きながら帰途につきました。 |

羽黒山・南谷に…かほり あ・り
昼食には一翆苑の名物であるシルクパウダーを練り込んだ「季節の絹麺」をいただきました。つるんとしたしなやかな麺はそばやうどんやパスタとも違った独特な食感でした。秋ということもあり、麺つゆにはいろいろな種類のきのこが入っていて、このつゆがいっそう麺の味を引き立てていました。