HOME > アロマ環境について > 全国のかおりレポート > No.6 鵠沼、金木犀の住宅街 |
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毎日を時間に追われるように過ごしている私(アロマテラピーに携わっている者として、もう少しゆったりとしなければと痛感しています)が、ある日も自転車で猛スピードで駅へと向かっていたところ、急に空気が甘くなっているのに気づきました。何かしら…、金木犀だとわかった途端、ペダルをゆったりとこいでいました。日中はまだ夏日もある東京の9月ですが、朝夕は冷え込み、夏から秋へくっきりと季節が移り変わった様を感じるのもこの頃です。この香りが大好きだった幼い頃の私は、よく植え込みに座り込んで花の香りを堪能していました。当時、芳香剤に「キンモクセイ」が多用されていましたが、本物の花の芳香とはまるで違うと子ども心に憤慨したものです。 昨年「かおり風景100選」が発表されたときも、何より目に飛び込んできた金木犀。その地である鵠沼近辺には幸い何人も知人、友人が住んでいるので、さっそく尋ねたところ、異口同音に「そんな有名な場所はない」という心許ない返事。ならばこの目で確かめてみようと、じれったい気持ちで秋になるのを待っていたのでした。金木犀はご存じの方も多いでしょうが、中国原産のモクセイ科常緑灌木で庭木として栽培される場合が多く、葉は長楕円形ないしは被針形、革質で堅く、雌雄異株ですが、わが国で栽培されるのは雄株のため結実しません。秋になると葉腋に強烈な芳香を放つ橙黄色の小花を密に束生します。草花に特別詳しくない方でも早春の沈丁花と並んで香りを思い浮かべることのできる、日本ではポピュラーな花のひとつにあげられるのではないでしょうか。 大いなる期待を胸に小田急江ノ島線に乗ること1時間。本鵠沼の駅のホームに降り立った途端、あたりに一面に満ちている甘い香りに身を置くことになるというでき過ぎた迎えられ方に戸惑いを覚えるほどでした。まずは駅の西側へ。住宅街が続き、金木犀の香りは途切れることなく漂っているようでした。このあたりは圧倒的に一戸建てが多く、一段と強い芳香を感じて見回すと、庭や垣根の中に容易に金木犀を見つけられます。いったん駅に戻って踏切を渡り、東側を散策してみました。こちらは江ノ電や小田急線の開業に伴って発展した高級住宅地や別荘地をうかがわせる瀟洒な邸宅が多いようです。1ヵ所で見かける花のボリュームも大きく、香りが閑静な住宅街を包み込んでいるような気がしました。 時間をかけて眺めていくうちに、さまざまな金木犀の様子にあらためて気づきました。垣根状のもの、平たくあるいは何かの形に見立てて整えられてあるもの、豪勢に咲き乱れているもの、そして周辺のどの木より高木に育っているもの…。どれもが住んでいる方々に大切に扱われているようです。 先述の友人たちがあまり有名でないといったのは、金木犀の木があまりに風景に溶け込んでいて、旬の時期にしかその存在を主張しないせいだからでしょうか。だとしても、彼らも今頃はこの香りを懐かしい気持ちとともに存分に楽しんでいることでしょう。 |

毎日を時間に追われるように過ごしている私(アロマテラピーに携わっている者として、もう少しゆったりとしなければと痛感しています)が、ある日も自転車で猛スピードで駅へと向かっていたところ、急に空気が甘くなっているのに気づきました。何かしら…、金木犀だとわかった途端、ペダルをゆったりとこいでいました。
大いなる期待を胸に小田急江ノ島線に乗ること1時間。本鵠沼の駅のホームに降り立った途端、あたりに一面に満ちている甘い香りに身を置くことになるというでき過ぎた迎えられ方に戸惑いを覚えるほどでした。まずは駅の西側へ。住宅街が続き、金木犀の香りは途切れることなく漂っているようでした。このあたりは圧倒的に一戸建てが多く、一段と強い芳香を感じて見回すと、庭や垣根の中に容易に金木犀を見つけられます。