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竹富島の海と花のかおり(沖縄県)
住所は沖縄県八重山郡竹富町竹富。「竹富町」とは竹富島、西表島、黒島、波照島など、十数の島々からなる町の名前です。その町名と同じ名前の「竹富島」は、石垣島から定期船で10分程度の所にあり、人口は312人、島面積5.42平方メートルのとても小さい島です。

私の中の楽園と呼んでいる「竹富島」との出会いから、もう10年以上が経ちます。青く澄んだ海、白い砂、赤瓦の屋根、石垣などが見られる古く美しい町並みは、昭和62年、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。歩いていると、どこからか柔らかに潮の香りが届き、水牛車に乗って唄う沖縄民謡「安里屋ユンタ」が聞こえてきます。

私の大好きな島のすばらしさをちゃんと伝えられるように、島の博物館「喜宝院蒐集館」館長の上勢頭芳徳(うえせどよしのり)さんを訪ねました。こちらには4,000点余りの島の文化資料が展示されています。「竹富島」の歴史はとても古く、約480年前の琉球王朝・尚真王時代にさかのぼります。上勢頭さんに教えていただいた、島に咲く美しい花々を紹介します。

「月桃(ゲットウ)」。すっきりとした香りで、竹富町の町花でもあります。花から抽出した精油成分は、紙などに染み込ませたものを防虫、防ダニの目的で県営住宅の畳下に敷かれているそうです。葉は、殺菌作用を期待して、餅を包み蒸すときに使われ、葉の繊維は加工して紙(月桃紙)をつくることに利用されます。見事に生活の中で役立っています。ほかには、南国代表のような色の「ブーゲンビリア」や「ハイビスカス」なども咲き、雰囲気を盛り上げています。これらは、色ほど香りは強くはなく、ほのかな感じです。珍しいところでは「夜香木」と呼ばれている木で、花はとても小振りで目立たないのですが、夜にしか香らないのです。夜風に揺れて、とても甘い魅惑的な香りを放ちます。
[写真]
上:月桃の花 中:ハイビスカス 下:ブーゲンビリア



私の記憶に通じていた「竹富島」の香りの正体はこれでした。この美しい島を訪れた人たちは、豊かな自然に触れて感性も豊かになるのでしょう。視覚から入ってくる鮮やかな映像、嗅覚で感じる自然そのものの香りなどに、個々の感性や思い出がエッセンスとなり、さまざまな「かおり風景」を心に描くのだと実感しました。これから「竹富島」を訪れる機会があれば、ぜひ“竹富島の海と花のかおり”をそれぞれに感じてみてください。私の「竹富島」訪問は10回を超えていると思いますが、今回も期待を裏切らず、ゆっくりと時が流れて、美しく、優しい島でした。これからも、わが愛しき楽園です。
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