HOME > AEAJマガジン > アロマテラピーワールドマガジン > ガーナ編第3回

アロマテラピーワールドマガジン ガーナ編第3回 ダシバ! ガーナにシアバター石けん工房をつくりに(2)
宇田川 僚一   うだがわ・りょういち
(株)生活の木常務取締役。1975年以来ハーブ・アロマテラピーの開発・普及に取り組む。(社)日本ホビー協会理事、全国ハーブサミット連絡協議会委員、地域中小企業支援センター専門家、中小企業金融公庫成長新事業育成審査員、当協会理事・環境委員会委員長。
8/3(木)
8 : 00 作業開始。昨日のシフトどおりに作業開始。その間、梱包用原紙(1m×3m、両端は揃っていず変形)をカットしてみる。カートンに梱包時の資材がこれしかないため、最終梱包を熟考。結果、この用紙でできるだけ厚く包みクッションとすることにした。したがって、必要な梱包用紙サイズは5pcs包装用、20pcs包装用、40pcs包装用、すき間を埋めるゲス用とした。まず5pcsを包装用紙で二重にキャラメル包みし、その表面には、入っているロットNOと数量をマジックで記入しておく。それを4つ、すなわち20pcsをまた二重でキャラメル包み、そして最後にそれを2つ、すなわち40pcsをまた二重で包もうというもの。これをカートンに2つ入れ、ゲスをかませて梱包しようという考え。それぞれの包装段階では中にあるロットNOと数量が明記され、最終梱包時にはカートンにロットNOと入り数が記されることになる。サマタに最終梱包前チエックと5pcs包装、記入を教える。キャラメル包みも何とかなりそうだ。
11:00 休憩、その間に梱包用原紙原反を作業に備え、各サイズをサンプルカットしておく。
午後、カートン詰めまでを自分でやってみる。NO1カートンができ上がる。これだけ厚く包装してあれば、まずは大丈夫だろう。ただし、ガムテープが薄く、2〜3重にテープ止めしないと不安だ。すべての箇所を3重に止めることにする。ちょっと見ていないすきに、サマタが20pcs包装に挑戦している。できているのだがメモを怠っていたため、中に何が入っているか、わからなくなり、再びあけてやり直し。彼女とアダムは次から次と私のやっていることを見てやりだす。
その積極性やよしだが、勇み足もあり。サマタが5pcs包み、アダムが20・40pcs包みと役割る。アダムには最後にカートン詰めまで指導する。
16:00 終了。。
18:45 USAIDコンサル、Drピーター、草苅さんらと食事。
[本日のワンポイントミーティング]
最終段階まで2カートンできたものを見せ、この状態で日本に出荷される旨伝える。ファイルバインダーに2ロットまでの工程・検査記録がファイルされたものを見せ、完了済み記録がこうして残されることで、クレーム対応もでき、優秀な工場として認められることを説明。明日のシフト。サナト(やることがない様子である)カット済みのシュリンク袋に石けん詰め作業、アダム、サマタ、カット急ぐ、ルカヤ、シュリンクカット加工、アビバ、ドライヤー、ほかは引き続き。
本日の成果。カット32バッチまで、検品32バッチまで、シュリンク18バッチまで、梱包2カートン。
[本日の工夫]
セロテープ台2台を作業テーブルに固定。糊づけ作業用台紙を作成。白紙にクリアファイルをカットし貼り、糊づけ位置決め、糊で汚さぬよう。
8/4(金)
8:00 作業開始。サナト、アダムがいない。アダム10:00頃来る。普段はルカヤやサナトのところにステイしているが30kmほど離れた実家に帰ったからとの由。サナトは昼過ぎに顔を出したが、本日は自宅の引越しのため休みとなる。今は猫の手でも借りたいときなのに…。アビバ、ルカヤ、ムサの検品・シュリンク組、ようやく軌道に乗った。サマタ、完成品5pcsラップ専任。アダムそれを20pcs、40pcsにラップ専任。アダム梱包まで手伝いに来たが、具合が悪そうで少し休憩させる。頭が痛いとのこと。かぜかマラリアかもという。今は雨季で27〜30℃。われわれはまだ暑いぐらいだが彼らにとっては寒いそうだ。アダムに休まれると痛い。しかし15分ほどで気丈にも作業に復帰。やはり今おかれている状況を彼女なりに理解してくれている。うれしいと同時に頭の下がる思いがした。いい子だ。帯巻きはマイケルとヤコブがやってくれている。
[本日のワンポイントミーティング]
来週JICAの鈴木さんが来る。石けん製造を見せること。重量検査のところでムサがちょっとだが角の凹んでいる物を見つけ持ってきたので不良品として1つ撥ねた。それを見せ、このチェックの厳しさがいずれ工房の信用と評判になって返ってくる旨を説明。
本日の成果。カット・検品48バッチまで、シュリンク36バッチまで、梱包9カートンまで。
[本日の工夫]
昨日サンプルカットした各サイズ別の梱包用原紙原反を、最終サイズを決めすべて裁断。5pcs包装用、20pcs包装用、40pcs包装用をカットしておき、それぞれの包装を二重にして包み、カートンの弱点を補うとともに、ゲスの役割をもたせる。大作業、疲れた…。16:00終了。
8/5(土)
8:00 作業開始。心配していたアダムが少し元気になり来ていた。助かった。カット、アドライ。シュリンク袋入れ、サナト。シュリンクカット、ルカヤ。ドライヤー、アビバ。サマタ、5pcsラップ。アダム、20pcs・40pcsラップ。検査、モハメッド。梱包、宇田川。ムサがチェッカーとして優秀。昨日のワンポイントミーティングで不良品を見つけたことを褒めてやった結果か、積極的に「これはどうか」と持ってくる。やはり人は褒めてやらねばいけないことを再認識。薄いカートンを少しでも強化しようと内面づくりをしっかりやってみる。サマタがすぐ代わりにやりたがり教える。梱包済みのカートンにロットNO別の入り数を記入するのだが、中に何番がいくつ入っているのか、わからなくなるようだ。入れる段階でメモをとっておくよう指示するが、やはり数の数え方など基本的なことが苦手のようだ。 本日の成果。カット・検品60バッチまで、シュリンク39バッチまで、梱包14カートンまで。
[本日の工夫]
ガムテープカッター作成。テーブルにカッターの替え刃を取りつけワンタッチで切れるようにする。
8/7(月)
10:00 〜14:00シアの木撮影。
8/7(月)
8:00 作業開始。アダムは元気になったが、今度はアドライが不調。胃の具合が悪いようで時折嘔吐していた。長椅子に横になり休んでいた。時折作業に復帰するが、一日仕事にならず。帯巻き、マイケル・ヤコブはよいが、ほかの者が手伝うと糊をつけすぎなのか、帯同士がくっついてしまっている。1ロットのうち9個もリパックを余儀なくされた。やはり参加者には初めに指導しておかなくてはならない。マイケル・ヤコブにも指導するよう指示。
15:30 終了。
[本日のワンポイントミーティング]
私もかぜ気味、皆に体調注意を喚起。
本日の成果。カット・検品72バッチまで、シュリンク46バッチまで、梱包20カートンまで。
[本日の工夫]
糊づけしたものを一度天日乾燥してみる。
8/8(火)
8:00 作業開始。アドライ、ムサが休み。シュリンクがどうしてもネック。袋に入れたものをそのままカートンに入れこんでしまうため、両端が折れてしまいカット時に再度整える手間がかかる。また、あとから製造したヘナやバオバブはまだ少し柔らかいため切り傷がつく。一度軽く拭いてからシュリンク袋入れし、カートンに入れずそのまま積み上げておくよう指示。カットが済んだもののみカートンに入れてよしとする。中本さんシアバター生産現場を撮影。
15:00 終了後、ルカヤの家庭訪問、撮影(ご主人は副チーフ、奥さん3人との由)。
16:30 ホテル着。
[本日のワンポイントミーティング]
明日、鈴木さんにカットを教えるための2バッチを製造しておく。11日に再度鈴木さんを交え2バッチ製造、12日にそれらのカットで引き継ぎ。
本日の成果。カット・検品83バッチまで、シュリンク55バッチまで、梱包26カートンまで。
[本日の工夫]
苛性ソーダ用の収納庫を作成。隣の裁縫室から箱状のものをもらい、蓋をつけて一応別収納とした。
8/9(水)
8:00 作業開始。午前中にすべてのカット終了。すばらしいカッターだった。われながら絶賛したい。シュリンクがどうしても滞り、たまってしまう。午後、鈴木さん用にバージンシアバターを2バッチ作成してもらう。あっという間に終了。慣れたものだと感心。
15:30 終了。
[本日のワンポイントミーティング]
製造は早いし文句ないが、バット流し込み後にタルキ、布架けを忘れていた。注意。苛性ソーダ用瓶が3つのうち2つまで割れた。この瓶は家庭用なので耐熱度が低い。できれば理化学機器のビーカーがよい。少量ずつ混ぜていけばビーカーで十分。タマレに売っているようだ。
本日の成果。カット・検品96バッチ完了、シュリンク62バッチまで、梱包30カートンまで。
8/10(木)
8:00 作業開始。アドライが今ひとつ具合よくないようだが全員集合した。シュリンクカッターのパーツを交換。ムサに指導しておく。今回は間に合うが次回の作業にはパーツの補充が必要(ニクロム線、予防シール、ガラスシール)。午後、シュリンク袋が足りなくなると判明。事前の計算では4,000pcsラップしても30mほど余る予定だったが、失敗が上回ったようだ。
もう1巻購入したのだが飛行機手荷物の重量オーバーを考え、1巻しか持ってこなかった。最終判断でシュリンクなしの裸で2カートンと29pcsを梱包し、東京でシュリンクラップすることにした。
5pcsラップ4種類を中本さん2セット、宇田川が1セット持ち帰り用に抜き取る。中本さんのは石川大使に差し上げる。できれば大統領や要人に届けばいいが。AF2000用に各80pcs置いておく。販促に使ってもらう。
16:00 終了。
[本日のワンポイントミーティング]
明日が最終日。午前中にドライヤー、帯巻き、梱包で終了予定。午前中、鈴木さんに宇田川が昨日の2バッチのカットを指導し、午後から皆が2バッチの製造を見せながら指導して終了予定。
本日の成果。シュリンク85バッチまで、梱包36カートンまで。
8/11(金)
8:00 作業最終日。鈴木さん合流。全員でシュリンク、ドライヤー、帯巻き、梱包にかかる。
11:00 鈴木さんにカット指導。問題なく、あとは慣れだけ。アダムが手伝う。引き続き2バッチ(バージンシア)を6人が製造を見せながら指導。製造工程パネルが壁にあるので心配はない。
14:00 最終カートンの梱包終了。49カートンになる。その後、明日のセレモニー準備で整理整頓。SHIPPING LISTを手書きだが作成しすべて終了。3時過ぎまで水も飲まず。疲れた一日。
[本日のミーティング]
アディサさんが進行で始める。皆からの疑問、「明日から石けんはつくるのか?」「鈴木さんが何をしてくれるのか?」等々。私が引きとって話した。JETROの3ヵ年計画で終わるところをJICAが引き継ぐ方向にまで進展したと説明。製造は注文がありき。需要=セールスが必要。全員で売ることを考えるべし。鈴木さんの役割は大きく分けて3つ。「1つはモノ、香りづけやトッピングなど新製品開発。2つ目はコト、国内でのセールスの可能性を探る。3つ目はこの場所を研修センターの位置づけにすることとその確立を図ること」と話しておいた。
17:00 終了。本日の成果。80pcs完成品梱包46カートン、裸のもの3カートン(189pcs)。
4.今回の成果
総数4,089pcsが完成品として採れた。傷、凹み、変形で撥ねたものは47pcs。よくこれで収まったと感心するしだい。ひと回り小さくカットしたことが大正解だったようだ。
8/12(土)
9:00 最終日、セレモニー。
9:30 A2000Nアディサさん、宇田川と中本さんインタビュー、撮影。
10:00 セレモニー。サマタの開会宣言で始まる。州政府のお役人や村のチーフはもとより、子どもたちも交じり村人総出200人を超える一大セレモニー。歌あり、踊りあり、そして挨拶あり。アビバとアダムが感謝の辞と今後の決意を(多分?)堂々とスピーチ。これに答えて私も一世一代の大演説を。なおかつ、6人の苦労と努力に対し、それぞれの顔写真を入れたハンドメイドソーパーの認定証を贈呈した。15:00頃まで大賑わいのうちに進行。特記(今回の作業終了に伴い、セレモニー参加者に展示とデモンストレーション形式でお披露目。昨日製造した2バッチをアダムとサマタがカット。うまい、少しもぶれない。この2人は日本人と何ら変わらない。教えがいがあったと胸を張る思いがした。サナト、ルカヤ、アビバでシュリンク工程をデモ。彼女ら自身も胸を張って堂々とやっている。立派なハンドメイドソーパーだ)。
15:00 から最後のミーティング。皆からの疑問、質問に答える。鶏と卵の関係から、需要と供給の関係を説明。鈴木さんの使命も交え説明した。
16:00 終了。
8/13(日)
12:30 タマレ発、14:00アクラ着。ラ・パームホテルへ。
17:00 小淵氏、17:30中本、田村、草苅、小俣、肥後の各氏と合流。
8/14(月)
10:30 貿易産業省訪問。GEPC同行。今回の成果、今後の展望を解説。特に研修センターとしての位置づけを強調。
14:30 日本大使館訪問。石川大使、織田氏と2時間にわたり会談。今回の成果、今後の展望を意見交換した。サンプルを渡し、ガーナの上層部へのプロモーションをお願いする。大使は大統領レベルに渡すことを約束してくれた。ここでも今回のやりがいを実感でき、苦労が報われた思いがした。帰り際に大使館内のお医者さんにかぜの治療をしていただく。ついでにマラリアの検査もしていただいた。幸いに陰性。
17:30 アクラ空港着。中本、マイケル氏とお別れ。
21:10 アクラ発。
8/15(火)
6:00 アムステルダム着、15:20アムステルダム発。
8/16(水)
9:40 成田着。12:30JETRO志釜さんにビデオカメラ、テープ届け。
以上が専門家としての活動でしたが、経済産業省とJETROが主催したアフリカンフェアでは、この6人のつくった石けんが見事に目玉となり、小泉首相(当時)もえらく感心されたことをご報告して、私の文字どおり身体を張った体験記を終わらせていただきます。今後シアバター製品を見たときには、このアフリカ、サバンナの地に思いを馳せらせていただければ幸いです。ターリ(ありがとう)…。
そして最後に、6人の「ゾリ」(友達)よ、「ユッバンユンマカ」(よくやった!)。
[2/2 page]
FAQ