HOME > AEAJマガジン > アロマテラピーワールドマガジン > ガーナ編第2回

アロマテラピーワールドマガジン ガーナ編第2回 ダシバ! ガーナへシアバター石けん工房をつくりに
宇田川 僚一   うだがわ・りょういち
(株)生活の木常務取締役。1975年以来ハーブ・アロマテラピーの開発・普及に取り組む。(社)日本ホビー協会理事、全国ハーブサミット連絡協議会委員、地域中小企業支援センター専門家、中小企業金融公庫成長新事業育成審査員、当協会理事・環境委員会委員長。
5/25 (木)
4:30 ホテル発、シアの実の収穫(案内の女性を同乗させシア収穫地帯へ。女性と子ども2人〈10〜15歳ぐらいの女の子〉で収穫)。現場は荒涼としたシアの木が点在する地だが、よく見ると、足元はねずみ色をした土で耕作地のようだ。まだ何も植えられていないが、畝状になっている。その間に落ちているシアの実を拾うという至極簡単な採集法。ブッシュでの採集で危険だと聞いていたが、こういう所もあるのかと実感。
7:00 ホテル着。アディサさん、アクラへ帰る。
8:00 石けん製造、カット指導。作業を始めている。この熱心さにこちらも「よし、やってやろう」という気になる。本日からヘナを入れた「エレガントオブガーナ」の製造にかかる。
10:15 1バッチ終了。
11:15 2バッチ目にかかる。また苛性ソーダ瓶が割れる。日本に確認したところ耐熱瓶ではないような感触。今後の課題か。ガラスビーカー(中)3ケで代用。タル木(型を覆うときに使用)カーペンターが追加分16本つくってくる。隣室との境を鍵でロック。5月22日に製造したソープのバリとりをやってみる。包丁で舐めるようにバリだけをとるのだが、さっそくサマタがやってきて真似をしだす。ところが“らっきょの皮むき”ではないが、気になりだすのかどこまでも削ってしまう。注意をするとわかったというが、どこまでわかったか…ま、どちらにしても、どうせこのサイズでは取れ率が悪いのは承知。ひと回りは小さく整形するつもりなのでやらせておく。トッピングのへナは35gを篩いにかけて攪拌30分経過後に入れた。いい具合だ。
14:30 終了。
[本日の工夫]
石けんカッター(2種類)をカット専用テーブルに釘で固定。そのテーブルが動いてしまうため、床にあった穴ぼこを少し拡大し、テーブルの脚にタル木を打ちつけ、穴に入れて固定。これでストッパーとする。11pcsの小片にカットするとき、どうしてもストッパーの役割をする右手の押さえがゆるんで歪んでしまう。そこで押さえとなる大きめのタル木を用意。途中までこれで押さえ、そっと抜くことで、この問題を解決しようと試みる。まあ、だいぶましではある。本当は技術を習得してもらいたい。
5/26 (金)
8:00 石けん製造、カット指導。「エレガントオブガーナ(ヘナ)」製造。
10:15 休憩、11:15 再開。
14:45 終了。
[本日のワンポイントミーティング]
形の大切さを説明。すべては最終の形が重要。したがって、それに関わる作業、分量、ゴミ・異物、攪拌、型紙、カット前の乾燥置き場、そしてカット。それぞれの工程時ごとの注意を呼びかける。
13:45 中本さん、センターに合流。
15:00 サグナリグ村の4人の家を訪問。アダムがルカヤの家にステイしている。ルカヤの旦那は副チーフとの由。ここタマレの村々は、古きよき日本の昔の村のように、ひとつの統制がとれているようだ。エレガントオブガーナ12バッチ完成。
5/27 (土)
8:00 石けん製造、カット指導。本日より「サバンナインザダウン(イエロー)」製造。
10:30 休憩、11:30 再開。
14:00 終了。 JETRO報告用ビデオ撮影。全員顔写真撮影、チームごとに集合写真、これが完成品の帯シールになる。アドライ、休んでいたが、この撮影には間に合う。
15:40ホテル着。志釜さん、本日まで。中本さんと入れ替わり明日帰国。次回指導に必要なリスト作成。
5/28 (日)
資料整理日。
10:00 レストランで打ち合わせ。
11:00 志釜さん帰国の途へ。タマレ〜アクラ〜ロンドン〜成田。中本さん見送り。終日ホテルで休息。
5/29(月)
8:00 石けん製造、カット指導。本日より1人が主導で、ヘルプだけをもう1人がやるよう指示。大体皆にひと通りやらせたつもりだが、確認のため全工程を1人でやらせてみる。アビバ、カットに挑戦。あいやー、大きく失敗。4つにカットする際に型から落ちてしまう先のほうの重みで、最後のほうが持ち上げられてしまい、えぐれる。くれぐれも上から常に押さえることを指導。押さえる位置も手送りして、常に手前をと…。
[本日の工夫]
4ツ切りカッターの前方に型と同厚の板を設置。先のほうが落ちないようにする。
[本日のワンポイントミーティング]
苛性ソーダ用手袋は専用としておくこと。カットは飽くまでも慎重に。これまでの作業を無駄にしないためにも。何を製造したか、日報をつける。モハメッドが今日からつけることになった。
14:30ホテル着。中本さんマーケットへ。サバンナインザダウン12バッチ完成
5/30 (火)
7:55 石けん製造、カット指導。本日より「バオバブの恵み(バオバブ)」製造。ヘナと同じく35gを篩にかけて攪拌30分後に混ぜ始める。JICA石川氏見学。
10:30休憩、11:30再開、13:30終了。
だんだん手際よく早くできるようになる。攪拌には1時間かけるが、それを入れても2時間で1バッチ製造と1バッチカットが終了。進歩だ。清掃の後14:00からミーティング。
[本日のワンポイントミーティング]
ゴキブリ、ねずみに注意を促す。ゴキブリは異物混入と衛生上、ねずみは石けんを食べてしまう天敵。温度計は危険物。割れると水銀が流出することを説明。1週間乾燥させたものはラックの網を敷いていない上段部分に移動してOK。乾燥棚の石けんは「一日1回裏返すこと。8月に再度来ること。その際すること。それが9月のアフリカンフェアで発表される」ことを説明。
中本さんと打ち合わせた結果、我々がいない間にもう各12バッチ製造しておくことを説明。15:00終了後、今回と約同量分の製造スケジュール表を作成。次回来るまでに1ヵ月は乾燥させておきたいので、それから逆算してスケジューリング。週2日間で6月末までに完了予定とした。
隣室(シアバター出荷事務所?)に約60cmの大きなシュリンクカッターあり。次回のラッピングに使えるかもしれない。しかし大きすぎる。アディサさんが「30cmのものがアクラにあるから、持ってくる」というので、それを使おうと思う。
5/31 (水)
8:00 石けん製造、カット指導。本日から最終テストとし、白衣を着用してひと通り1人で作業をさせる。アビバ、アダム、ルカヤの3人。3人とも10:00には終了。大体2時間で1バッチ製造・カットができるようになった
[本日の工夫]
カーペンターに4ツ切りカットの際に押さえとなるL字型の木製枠をつくらせる。明日テスト。同じく、型に敷く紙に30cm四方の線が簡単に引けるよう木型をつくらせた。把手つき。サナトにカットを教える。大胆に失敗。 サマタ、リラックスして椅子に座り、ブラブラ揺すっているうちに椅子ごと後ろに倒れる。2児の母なのに若いからか動作がおもしろい。憎めない人気者。
[本日のワンポイントミーティング]
・型でのカットに細心の注意を。
・白衣(4枚ある)汚れたら洗濯を指示。
・慣れがくるとポカがある。サマタが椅子から落ちたのもそう。気を抜くなと指導。
中本さん、来週からのスケジュール発表。月、木の2日間で6バッチ / 日ずつ。4週間で44バッチを製造し6月末までに終了。1ヵ月乾燥させた後、8月初めに再来し、整形、ラッピングをする。 13:30 ホテルで初の昼食。14:00よりマーケット視察。丁子、ジンジャー、ハイビスカスあり。ハイビスカスは使えるかも。セロテープカッター付きと三角定規購入。17:00ホテル着。
6/1 (木)
8:00 石けん製造、カット指導最終日。サマタ、アドライ、サナトの3人で白衣着て最終テスト。 10:00 終了。これで全員が1人ですべての工程をこなせたことになる。「よくできた」と褒めてやってよいのではないか。掃除、休憩の後パーティに先立ち13:00から最終ミーティング。
[本日のワンポイントミーティング]
紙に十字のチャートを書き、「人間のできることは誰でもできる。ただ、上手いか下手か、早いか遅いかの違いだけだ」と説明。皆にどこを目指すかと聞いたところ、やはり上手くて早いところを目指したいと口をそろえた。まあ、わかっている。くれぐれも気を抜くな。それにはよく視ること。モノだけでなく人のことも見て、お互いに注意し合い、教え合え。それが全員の向上になると話す。その後、お別れパーティ。ジュース、コーラ、クッキーを買い込み、我々はビール。 15:00 終了。
6/2 (金)
10:30 チェックアウト、アクラ移動。12:30タマレ空港からアクラへ。14:30 A2000N訪問。報告の後、マンポ伝統医薬研究所を訪問。国立の伝統医療病院。日本の雑誌記事でアロマテラピー治療をしていると聞き、ここに行けばこの国のエッセンシャルオイルの状況がわかると思い訪問。すでに17:30を過ぎ終わっていたがDrサム氏にお宅で面会。話を聞く。「この病院は1975年設立、伝統的な植物療法を患者に施している。ただアロマテラピー治療などしていない。この国にはエッセンシャルオイルはない」との由。すべて他国(ジンバブエ?)から買っているそうである。アクラ帰着後、アディサ宅で夕食をご馳走になる。NOVOTEL泊
6/3 (土)
12:00 チェックアウト、資材屋、大使館、ガーナ最終日。
12:00 ラッピング資材屋訪問。どうもシュリンクラップはガーナにはないらしい。日本からサンプル、見積もりを中本さんに送り、ナイジェリアで探してもらうことにする。
13:30 ラ・パームホテルで昼食。その後、石川大使に呼ばれ大使館へ。夕食をご馳走になりながら歓談。私が利益の分配を懸念すると、大使は「まずは動かすことが先決」と大所高所の指摘。流石だ。今回の指導風景と現地、現場をビデオでお見せする。「検品をしっかり教えてやってくれ」といわれる。品質管理の大切さをよく知っておられる。次回の予定を話すと「また寄ってくれ」とのことだった。
18:45 アクラ空港着、22:30 アクラ発ロンドンBA078で離ガーナ。1度目が終わる。
4.1度目の成果
【定量】
バージンシアバター、エレガントオブガーナ、サバンナインザダウン、バオバブの恵み、4種類、計49バッチ×44pcs=2,156pcs
【定性】
期間内に白衣を着せて最終テストを実施。結果、6人とも石けん製造工程はひとりでできるようになった(でき上がった石けんの形どおり曲がりなりにも…だが)。あとは慣れ。次回までに同数量を製造しておくよう指示。向上を期待するばかり。テストは非常に有効。何ごとにも使える手段である。
という次第で一度目が終了しました。この間、定規で計り紙に線を引くとか、カッターでカットするとか、それもあてがった定規とは関係のない所をカットしてみたりと、びっくりするほど基本的なことが苦手なこと等々ありましたが、ワイワイガヤガヤやっているうちに帰国の日となりました。
別れの日に190cmはあろうかというサマタからボソッと「私はあなたの娘だ」といわれたときには、何とも情が移ってしまいましたが、「また来るまでに、きちっとつくっとけよ」と皆に強くいい放って、何とか涙を零さずに先生の威厳を保ったものでした。
今回はこれにて。ナンテビャウ(さよなら)
[2/2 page]
FAQ