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| 池田 朗子 いけだ・あきこ
AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。AEAJ企画広報委員。IFA認定アロマセラピスト(IFAおよびIFPA正会員)。AEAJ認定アロマテラピーアドバイザー認定教室aromaticlifeやトリートメントルームを主宰。英国ロンドン在住。 |
| 日本アロマテラピー協会が業界では初の社団法人化されるニュースを、遠く海を隔てたイギリスでうれしく拝聴しました。まさに今、日本でもアロマテラピーと行政が関わり合いを深めているタイムリーな時期ですから、“イギリス編”最終回は英国における皇室や政府の統合医療発展への取り組みをご紹介したいと思います。 |
さて折しも最近、浩宮様のご発言により日本で皇室の新しい公務のあり方が論議を呼んでいるようですが、英国皇室の公務選択は皇室メンバーの自由な暮らしぶり同様、各人の自発的意思が尊重されているのは興味深いところです。英国のどこのスーパーでも売れ筋商品であるオーガニック総合食品ブランド「Duchy Originals」も、実はチャールズ皇太子がチャリティのために経営しているブランドです。グロースターシャー州ハイグローブにある皇太子の別荘周辺の自家農園で収穫されたオート麦と小麦を、地元の粉挽き小屋において石臼挽きして丁寧に手焼きした最初の商品「Duchy Originals Oaten Biscuit」は1992年の発売以来、現在でも変わらぬロングセラーとなっています。現在ではビスケットのみならず乳製品や精肉、チョコレート、無添加ジュースなどさまざまな商品が売られています。このプロジェクトは1980年代、皇太子がまだ30代であった頃から実践を始められたことで、有機栽培を取り入れた天然資源を持続的に維持していくシステムの実践が、ひいては次世代のために英国領土を守り育てることにつながるのではないかという個人的信念から生まれたものだそうです。今では英国を代表する巨大なオーガニック食品の会社にまで成長しているのですから、なるほど皇太子はビジネスにも先見の明をおもちです。 |
| 英国でも皇室の動向はマスコミの人気トピックですが、先日もハイグローブのホームファームにおいて、チャールズ皇太子とウイリアム王子が親子仲睦まじく畑仕事に精を出す風景がテレビに取材されていました。そのご様子は英国王室ウエブサイトにも和やかな写真の数々で掲載されています(注1)。このブランドは先に触れたようにチャリティ企業ですから、その売り上げはすべて皇太子により1979年に設立されたThe Prince of Wales's Charitable Foundationへ寄付されます。これには、建築関係から環境保護、芸術活動、健康関連まで実に多岐に及ぶ17の主要慈善団体が含まれ、Duchy Originalsは創設以来350万ポンド(1ポンド200円として約7億円相当)の寄付をしているそうです(注2)。実はこの寄金が、巡り巡って英国アロマテラピー業界の発展にも寄与されているのです。 |
| A.O.C.(Aromatherapy Organization Council)の解散後、新たにA.C.(Aromatherapy Consortium)が発足したというニュースはすでに前号の国際委員会レポートで報告済みですが、このA.C.にオブザーバーとして参加している団体のひとつに、先にあげたThe Prince of Wales's Charitable FoundationのひとつであるThe Prince of Wales's Foundation for Integrated Healthが見つけられます。この団体は補足医療と従来型の近現代医療を統合するのを目的に設立されたもので、以下のような活動をしています(注3)。 |
| 1)補足療法の団体が非営利または独自の法規制された条例を設けることを奨励。 2)統合医療分野における高水準な学術調査を奨励。 3)補足療法の団体に国家レベルで認知された統一の教育基準を設定することを奨励。 4)国民が統合医療を受ける機会を奨励。 5)ウエブサイトや定期刊行物、出版物やセミナーなどを通じて患者、療法家、マスコミや 一般大衆に統合医療に関する情報を提供する。 6)英国における統合医療の発展のために寄付金を募る。 |
| この団体らの協力によって、現在イギリスでは、A.C.を中心にアロマセラピスト公的資格制度の実現に向けて、日々話し合いがなされているわけです。 |
| それでは、イギリス政府による補足および代替医療(CAM)への取り組みはどのようになされているのでしょうか?Department of Health(イギリス厚生省)の資料に目を通してみました(注4)。国会内選抜委員会によりまとめられたこの資料には、まず近年のCAMに対する国民の関心の増加があげられ、政府のCAMに対する見解が説明されています。つまりCAMはまず「患者に対して危害を与えるものであってはならない」という立場から始まり、とはいっても患者の治療にあたる医師や看護師その他すべてのスタッフに患者を扱うプロとしての共通認識や責任が生じ、またCAM自体の活動の限界とともにほかのスタッフらと協力して成し遂げられることの可能性も理解する必要があるといったようなことです。次に、CAMに括られるセラピーを3つに分類しています。第1グループとして主要なセラピーにあげられるのがオステオパシー(整骨療法)とカイロプラクティックで、これらはすでに政令に基づいて教育がなされており、英国では職業的に規制されています。鍼治療、西洋ハーブ療法、ホメオパシー(同種療法)もこのグループでこれらはそれぞれ独自の診断方法を確立しており、世界のCAM分野においても主要5療法として認識されているものです。第2グループは社会で最もポピュラーに実践されているものの、独自の診断技術は含有しない代替療法です。アレクサンダーテクニークやその他のマッサージ療法、カウンセリング、催眠療法、リフレクソロジー、指圧、瞑想法、ヒーリング療法と並んで、アロマテラピーはこのグループに配属されています。第3グループは、科学的根拠よりも哲学的根拠を元にした代替療法でさらに2つの小グループに分類されます。3aグループは伝統的な背景をもつインドのアーユルヴェーダや東洋医学、3bグループは十分な科学的データが不足しているクリスタル療法、イリディオロジー(虹彩療法)、ラジオニクス療法、ダウジング、キネシオロジーが含まれるそうです。第2グループであるアロマテラピーは、まずは知識の水準を従来型医療レベルに合わせる必要があり、CAMにおいては積極的な治療というよりリラクセーションやストレスマネージメントの分野での要求が当面主なものとなるだろうと示唆されています。まずはA.C.を中心にアロマセラピストの職業的な規制と政令に基づいた教育システムを立ち上げることが、政府の分類するCAM第1グループへの昇格の一歩となることは間違いありません。 |
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| イギリス編はいかがでしたでしょうか?まだまだお伝えしたいことはありますが、またの機会にということで今回の3回連載の筆を置きたいと思います。ご愛読どうもありがとうございました。 |
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さて折しも最近、浩宮様のご発言により日本で皇室の新しい公務のあり方が論議を呼んでいるようですが、英国皇室の公務選択は皇室メンバーの自由な暮らしぶり同様、各人の自発的意思が尊重されているのは興味深いところです。英国のどこのスーパーでも売れ筋商品であるオーガニック総合食品ブランド「Duchy Originals」も、実はチャールズ皇太子がチャリティのために経営しているブランドです。グロースターシャー州ハイグローブにある皇太子の別荘周辺の自家農園で収穫されたオート麦と小麦を、地元の粉挽き小屋において石臼挽きして丁寧に手焼きした最初の商品「Duchy Originals Oaten Biscuit」は1992年の発売以来、現在でも変わらぬロングセラーとなっています。現在ではビスケットのみならず乳製品や精肉、チョコレート、無添加ジュースなどさまざまな商品が売られています。このプロジェクトは1980年代、皇太子がまだ30代であった頃から実践を始められたことで、有機栽培を取り入れた天然資源を持続的に維持していくシステムの実践が、ひいては次世代のために英国領土を守り育てることにつながるのではないかという個人的信念から生まれたものだそうです。今では英国を代表する巨大なオーガニック食品の会社にまで成長しているのですから、なるほど皇太子はビジネスにも先見の明をおもちです。