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| 山本 真理 やまもと・まり AEAJ認定アロマテラピーインストラクター、同アロマセラピスト。緑と香りの学校Tiara主宰。京都工芸繊維大学卒。企業の研究室勤務後、ハーブ・アロマテラピーを学びながら、外資系エステティックサロンに勤務。主にフランスの美容法やマッサージ法を学ぶ。 |
| カナダのアロマセラピストたちと交流をもち、さまざまな意見交換・情報交換をするようになってからもうすぐ4年が経とうとしていますが、今でも苦戦しているのが言語の壁。ケベック州に在住している彼女たちはフランス語が公用語のため、フランス語の本で勉強しています。 |
| したがって、現地の勉強会で出てきた本はもちろん、ほとんどがフランス語。精油(エッセンシャルオイル)やハイドロゾル、ハーブの使用方法や効果効能についてディスカッションしたときも、「ほら、この本にはこのように紹介されているわ」と見せてくれてるのですが、フランス語なのでまったくわかりませんでした。いつも英語で説明し直してもらっています…。ちなみに勉強会で頻繁に使用している本は『L’Aromatherapie Exactement』 。この本の著者は日本でも有名なDaniel Penoel とPierre Franchommeです。 では、フランスの影響を強く受けているという彼女たちのアロマテラピーの実践が、私たちとどんなところが異なっているかを一部紹介したいと思います。 |
| まず濃度ですが、使用するエッセンシャルオイルと使用目的によって、1%〜50%の変化をつけるとのことでした。50%!?とびっくりしましたが、それは局所に使用する場合がほとんどで、全身のトリートメントでエッセンシャルオイルを使用する場合は数%とのことです。 |
| そういえば、一昨年ドイツに行ったときには、自然療法士の先生が局部(肩)にエッセンシャルオイルをかなり高濃度で使用していたのを見たことがあります。欧米と日本では、使用濃度が全然違うと聞きますが、実際にそうなんだと再認識しました。 |
| ただ彼女たちは、エッセンシャルオイルの中に含まれている化学成分についてとても詳しく勉強しており、ブレンドの際に利用している資料には、主要構成成分の割合のほか、TV(therapeutic value)や、身体の状態に対する効能レベルが+〜++++と4段階で示されています。 |
| ケベック州は、カナダの中でも独特の文化をもっており、ヨーロッパ(特にフランス)の影響を強く受けている地域です。ケベック州民の81%がフランス語を母語としており、英語を母語とするのは約8%であるといわれています。今回お話を伺ったAlexandrineDenisのデスクにも、フランス語のアロマテラピーやハーブ療法の本が山積みになっていました。彼女にお話を聞くと、「カナダ、特にケベック州はフランスの影響を強く受けているので、ハーブやアロマテラピーの利用法や学習に関しても、フランスの情報がたくさん入ってくるのよ」と話してくれました。例えば、精油やハーブが薬局で売られている風景が見られたり、精油を医師の処方箋のもとで飲用するということも、日本では行われていませんが、カナダではそれほど珍しいことではないといいます。精油の販売にはカウンセリングがつくのもよくあることで、販売といえどもセラピストの知識や経験が問われることもよくあるといっていました。 |
| エッセンシャルオイルによっては内服の可否も書かれています。例えば、このときのケーススタディで使用したものに、Acorus calamus(Sweet flag 菖蒲根)があったのですが、勉強会で使用した資料には、『カナダ菖蒲はヨーロッパ及びアジア菖蒲に高濃度に含まれるケトン(βアサロン)を高濃度に含んでいない。』と記載されており(原文:ATTENTION : this variety does not contain a high proportion of ketones, like the European and Asiatic ones.)、内用・外用に関する細かい使用例が紹介されていました(私たちはエッセンシャルオイルの内用はしません)。カラムスのエッセンシャルオイルはカタル症状や消化器系の不調に使用するそうです。 |
| また、エッセンシャルオイルだけでなく、ハイドロゾルの使用についても細かく検討している風景がカナダらしい(フランスらしいということでしょうか)と思いました。私はカラムスのエッセンシャルオイルやハイドロゾルを使用したことがないため、非常に興味深く聞かせていただきました。 |
| さて、カラムスも珍しいのですが、今回も前号のエキナセアやカナディアンフリーバーンに続き、北米特有の植物「ラブラドルティ(Labrador Tea)」を紹介したいと思います。 |
| ラブラドルティは学名Ledum groenlandicumで、グリーンランドモスとも呼ばれています。ラブラドルティはアメリカ大陸の北部〜北極圏にかけて自生しており、ブラックスプルースが分布している地域や湿地帯に見かけることができます。 |
| ネイティブアメリカンは、ラブラドルティの煎じたものを、呼吸器、消化器、泌尿器のトラブルや、リウマチ、壊血病、頭痛のときに飲用したり、血を浄化する目的や分娩時に使用していたともいわれています。この煎じ液は、けがをしたときの傷口を洗ったり、ヘビや虫に咬まれたりしたときにも使用されていました。 |
| ラブラドルティからは、葉と花を水蒸気蒸留することでエッセンシャルオイルとハイドロゾルが得られます。この精油もカナディアンフリーバーン同様、独特のハーブ調の香りがしました。みずみずしさがあるという感じではなく、ちょっとウェットな甘酸っぱいような表現しがたい香りです。含まれる主な成分にはリモネン、サビネン、βセリネンなどがあります。非中毒性・非刺激性ですが、作用が非常に強力なため、6歳以下の子どもや妊婦、抗凝血剤を使用している人、てんかん患者には禁忌となっていました。 |
| このエッセンシャルオイルをどんなときに使用するか、何と組み合わせるかなどを、さまざまなデータや経験をもとにディスカッションされていましたが、前号でも紹介しましたように私がお話を聞いたアロマセラピストの勉強会ではスピリチュアル的な使用法についても議論しており、このラブラドルティの場合は、エネルギーがブロックされてしまった場合に腹部(胃や肝臓のあたり)のトリートメントで使用するのが効果的で、その際はベルガモットとのブレンドが効果的だと話してくれました。 |
| このエッセンシャルオイルは5番目のチャクラ(スロートチャクラ)にも働きかけてくれます。感情のコントロールや自分の気持ちを表現するのを手助けしてくれる香りだとのことです。 |
| 最後に、これから寒くなってきますので、カナダのアロマセラピストたちが植物(エッセンシャルオイル・ハイドロゾルを含む)を使ってどのように、かぜ予防するかを紹介したいと思います。 |
| 私がお世話になっているアロマセラピストたちは、かぜ予防やかぜをひいたときには温かい飲み物にシナモンのハイドロゾルを入れて飲むそうです。私も現地でコーヒーに入れて飲ませていただきました。かぜのときでなくても飲みたくなるくらいおいしい味で、身体がぽかぽかしてくるのを感じました。身体全体を刺激してくれるので、かぜ以外に疲労時、集中力が必要なときにも向いているとのことでした。 |
| また0.5%以下の濃度でのシナモン精油のトリートメントも、かぜ予防の目的や疲労時に行うそうです。シナモンは北米原産の植物ではありませんが、彼女たちはさまざまな場面で濃度を調整しながら愛用しているとのことでした。シナモンの香りは温かみがあるので、温かさを表現したい香水をつくるときには、私もよく使用します。かぜ予防目的の芳香浴としては、ブラックスプルース、ホワイトスプルース、バルサムファーなどのエッセンシャルオイルを玄関やベッドルームに焚くそうです。またエキナセアのティーやチンキも大活躍するとのことでした。使用する植物は国によって異なりますが、植物の力を借りて健康管理をするのは共通ですね。この冬も元気に乗り切りたいと思います。 |
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