HOME > AEAJマガジン > アロマテラピーワールドマガジン > オーストラリア編第3回 |
|
|
| 古川 玲子 ふるかわ・れいこ
1991年オーストラリアに移住。2000年メルボルン薬学学校アロマテラピーディプロマ取得。アロマセラピークリニックを開業、現在に至る。IFA Australia、AAMA正会員。 E-mail:reiko@clinicalaromatherapy.info |
メルボルンは、都市部の急激な人口増加に伴いアパートや店舗が次々に建てられています。最近、街の真ん中にできた総合ショッピングセンター「クイーンビクトリア」に、一風変わった雰囲気のお店が現れました。白の明るい店内の、ちょっと理科室っぽい店のガラス越しには、白黒で印字された説明書きだけの素っ気ない茶色の遮光瓶が並べられた棚と、真ん中に設えられたタイル張りのカウンターに洗髪のできそうな大きなシンクが見えるだけです。ここは創業18年、「永遠の若さ」を唱えたギリシアの作家から名前をとったメルボルン生まれの自然化粧品店イソップの初の直営店。飾りもポスターもなく、唯一、棚やガラスに書かれた商品説明らしき短い文は、よく見るとアインシュタインやオスカー・ワイルドの引用句。 |
| 日々(または健康)に対する姿勢のような言葉が書かれています(マーク・トゥエインは、彼らしい皮肉に満ちているユーモア)。「パッケージングより中身!」という会社の方針を説明してくれたのはフランス人店長のフィリップさん。「イソップの基本は、健康な細胞をより長く保持すること」クレンジング、バランシング、保湿と、基礎的な毎日の手入れを重視し、特別な抗老化剤(アンティエイジング)よりも天然の抗酸化剤の配合と、シリコンなど肌に負担のかかるものを取り除くことで若々しい肌を長く保つ方法をとっています。簡素すぎるほどの内装と製品ラベルは、研究に多く投資する経営方針を、また、ガラス張りの店内は「人工物質(防腐剤)は極力使用しないようにしている」との正直な答えをそのまま反映しています。化学物質を使用しながら自然派を名乗る会社がある中、顧客に対する率直な態度に安心感を覚えました。 |
| イソップは18年前、美容師だったデニス・パフィティスが、ヘアケアのためのシャンプーなどを自然原料からつくり始めたのをきっかけに、総合的なスキンケアを目指し、洗顔、化粧水、保湿剤からスタートしました。オーストラリアの気候に適するようにつくられた化粧品は、現在、東南アジアを中心に世界各国に送り出されています。化粧品は特にオーストラリア産原料にこだわりはなく、品質第一、最良のものを採用し、さまざまな国から集めた植物原料でつくり出されています。特徴的なのは基材油として麦芽が使用されていること。麦芽は小麦の穂全体のごく3%ですが、この小さな部分から取り出した麦芽油が実はビタミンEと必須脂肪酸の宝庫で、皮膚細胞の再生を図り、血行を促し、皮膚炎の症状を緩和します。ほかにアロエ、ビタミンCが基材として使われており、クレンジングにはゼラニウムオイル、保湿剤に椿油や月見草油、化粧水にパセリシードなどが使われています。おもしろいのは“アニマルウォッシュ”。棚の真ん中に、動物由来の製品が並べられているのかと思いきや、ペットの毛専用洗剤でした。創始者が美容師と聞けばなるほど、うなずけます。 |
さて、次は大丸デパート跡を含めて大再開発がなされたコンプレックスにできたPerfect Potionです。店内は木の温もりと緑色に統一されたパッケージングやスタッフのTシャツなどが明るい照明に映え、モダンでありながら居心地のよい雰囲気を醸し出しています。店内に入るとマネージャーのオラティオさんがニコニコ笑顔で迎えてくれました。取材中「この会社が大好き!」と何度もおっしゃるほど、この会社にぞっこん惚れていらっしゃいます。Perfect Potionは1991年にSalvatore BattagliaとCarolyn Stubbinによって設立されました。私の学校時代にはBattagliaの著書“The Complete Guide to Aromatherapy”は教科書になっていました。彼は薬草学、鍼灸、アロマテラピーなどの自然療法の資格を多くもち、政府にも専門家としてアドバイスしています。Carolynもハーバリスト、アロマセラピストなどの資格をもち、クリエイティブ ディレクターとして、店内の装飾デザイン(2003年に色を黒から緑に変更など)、情報収集、新商品の開発など幅広く携わっています。 |
| 現在、Perfect PotionはTGA(Therapeutic Goods Administration)に認可されている優良ブランドのひとつです。最高級のエッセンシャルオイル、浸出油、コールドプレス植物油、そして、有機栽培されたハーブからの抽出物を原材料に使用しています。石油化学製品や合成品は一切使用していません。この会社も満足いく品質を確保するため、原材料をオーストラリアはもとより世界各地から集めています。昨年、オーストラリアで有機栽培の良質のカモミールが得られなかったため、エジプトから輸入しました。良質のものが得られない場合は、品切れになるときもまれにあります。しかし、調合から包装まで製品への過程はすべてブリスベンの工場で行われ、made in Australiaとしてこだわりをもっています。 |
| 会社のポリシーは「正直、誠実であること」。ここでは、防腐剤にCitrus seed抽出品だけを使用しており、合成品は有効ではあっても絶対に使用しません。以前、新製品を開発し市場に出すところでしたが、品質に妥協できず直前に止めてしまったこともありました。 |
オラツィオさんご推薦の商品は、やはりスキンケア製品。もう20年以上使っているそうです。また、ここのモットーとして個々の材料の持ち味を生かすため、なるべくシンプルな配合にしています。彼が美容師だったこともあり、ヘアケア製品もお勧めです。そのほかにも、ドライハーブ、ティー、キャンドルなども豊富にとりそろえています。また、講習会なども頻繁に催し、アロマテラピーの普及と教育にも力を入れています。そして、日本をはじめとして、台湾、香港、韓国、マレーシアにも市場を伸ばしています。 |
|

メルボルンは、都市部の急激な人口増加に伴いアパートや店舗が次々に建てられています。最近、街の真ん中にできた総合ショッピングセンター「クイーンビクトリア」に、一風変わった雰囲気のお店が現れました。白の明るい店内の、ちょっと理科室っぽい店のガラス越しには、白黒で印字された説明書きだけの素っ気ない茶色の遮光瓶が並べられた棚と、真ん中に設えられたタイル張りのカウンターに洗髪のできそうな大きなシンクが見えるだけです。ここは創業18年、「永遠の若さ」を唱えたギリシアの作家から名前をとったメルボルン生まれの自然化粧品店イソップの初の直営店。飾りもポスターもなく、唯一、棚やガラスに書かれた商品説明らしき短い文は、よく見るとアインシュタインやオスカー・ワイルドの引用句。
さて、次は大丸デパート跡を含めて大再開発がなされたコンプレックスにできたPerfect Potionです。店内は木の温もりと緑色に統一されたパッケージングやスタッフのTシャツなどが明るい照明に映え、モダンでありながら居心地のよい雰囲気を醸し出しています。店内に入るとマネージャーのオラティオさんがニコニコ笑顔で迎えてくれました。取材中「この会社が大好き!」と何度もおっしゃるほど、この会社にぞっこん惚れていらっしゃいます。Perfect Potionは1991年にSalvatore BattagliaとCarolyn Stubbinによって設立されました。私の学校時代にはBattagliaの著書“The Complete Guide to Aromatherapy”は教科書になっていました。彼は薬草学、鍼灸、アロマテラピーなどの自然療法の資格を多くもち、政府にも専門家としてアドバイスしています。Carolynもハーバリスト、アロマセラピストなどの資格をもち、クリエイティブ ディレクターとして、店内の装飾デザイン(2003年に色を黒から緑に変更など)、情報収集、新商品の開発など幅広く携わっています。
オラツィオさんご推薦の商品は、やはりスキンケア製品。もう20年以上使っているそうです。また、ここのモットーとして個々の材料の持ち味を生かすため、なるべくシンプルな配合にしています。彼が美容師だったこともあり、ヘアケア製品もお勧めです。そのほかにも、ドライハーブ、ティー、キャンドルなども豊富にとりそろえています。