HOME > AEAJマガジン > アロマテラピーワールドマガジン > オーストラリア編第1回

アロマテラピーワールドマガジン オーストラリア編第1回 オーストラリアにおけるアロマテラピー先駆者たち
古川 玲子   ふるかわ・れいこ
1991年オーストラリアに移住。2000年メルボルン薬学学校アロマテラピーディプロマ取得。アロマセラピークリニックを開業、現在に至る。IFA Australia、AAMA正会員。
E-mail:reiko@clinicalaromatherapy.info
今回はオーストラリアで活躍するアロマテラピーの先駆者たちをご紹介します。
おひとりめは、オーストラリアアロマテラピー業界のパイオニアであり、IFA Australia(International Federation of Aromatherapists)の設立メンバー、Beverley Greenwood IFA会長です。彼女の経営する学校「Natural Skincare College」は、メルボルン市内から電車で25分ほどのBox Hillという郊外にあります。Box Hillは千葉県松戸市の姉妹都市で、Box Hill病院、Box Hill TAFE(日本でいう技術専門学校)など大規模な施設を擁し、近年急速に発展しています。こじんまりとした彼女の学校は駅から徒歩約5分。入り口を入ると仏像があり、バーナーに温められた瞑想系のオイルの香りが立ち上っています。階段を登った受付のホールには、自然療法の資格を数多くもつ彼女にふさわしく、多数のアロマテラピー、ビューティーセラピー、マッサージ、風水、キネキオロジーに関する本や品々が並べられています。
Beverley Greenwoodさんは、どこにそんなバイタリティーがあるかと思われるほど華奢な身体つきですが、会社社長、講師、各種団体の役員などの肩書きをもち日々忙しくこなしています。ジンバブエで育った彼女が自然療法の旅に出発したのは1968年。ロンドンでNatural Beauty Therapyの資格を取得後、アロマテラピー、レメディアルマッサージ、リフレクソロジー、形而上学を次々に習得、ドイツや南アフリカなどの各地で仕事をしてきました。また、最初の学校を南アフリカに開いています。

Beverley Greenwoodさんは、どこにそんなバイタリティーがあるかと思われるほど華奢な身体つきですが、会社社長、講師、各種団体の役員などの肩書きをもち日々忙しくこなしています。ジンバブエで育った彼女が自然療法の旅に出発したのは1968年。ロンドンでNatural Beauty Therapyの資格を取得後、アロマテラピー、レメディアルマッサージ、リフレクソロジー、形而上学を次々に習得、ドイツや南アフリカなどの各地で仕事をしてきました。また、最初の学校を南アフリカに開いています。
1980年にロンドンからメルボルンに移ると間もなく、メルボルンで最も古いアロマテラピー校のひとつである「Cleopatra's Needle School of Beauty Therapy」を開校しました。IFA設立メンバーでもある彼女の学校は小さいながらもメルボルンのアロマテラピーをリードしてきました。「(開校)当時はアロマセラピストもほとんどいなかった」そうです。アロマセラピストとともに、ビューティーセラピストも育ててきた彼女は1997年、教え子から売りに出されていると聞いた「Natural Skincare College」(当時)を吸収合併。現在の「Natural Skincare College」に至っています。コースにはアロマテラピー、マッサージに加え、形而上学の授業もあり、少数精鋭で丁寧に教えています。また、2000年にはビクトリア州で初めて、ビューティーセラピーの国際的検定試験を行える「CIDESCO College」を設立しました。
次はジュリーク創設者のお話です。輸入に頼るオーストラリアにおいて、ジュリークは国内産の自然化粧品会社です。地元の人でも名前の響きからフランス製だと思っている人が多いようです。自社工場はアデレード郊外にあり、オイル以外の製品材料はすべて自社農園で育てられた無農薬ハーブを、伝統的バイオイントリンジック法(エキスを搾りとったハーブを燃やした灰まで使う!)で製品化しています。虫のつきやすいバラには虫除けにニンニクがともに植えられ、商品に使えない部分の灰は堆肥として使われます。
創設者のユルゲン・クライン博士はドイツ出身の化学者で、世界中を旅して公害のないこの地を見つけハーブの栽培を始めました。ハーブの自然薬効を美容に生かすため、あらゆるハーブが商品に配合されています。中にはにおいの強いもの、防腐剤無添加のために期限の短い製品もあります。容器もリサイクルできるよう瓶とアルミチューブのみ。最近携帯用の化粧水入れがプラスチックになりましたが、割れやすかろうが、重かろうが、または中身が臭かろうが腐りやすかろうが、自然を基本にした姿勢は変わらないようです。
最後は、アロマテラピーを取り入れている婦長さんのお話です。オースティン病院は、メルボルンから約10km北のハイデルバーグにある大型総合病院です。心臓治療科では、現在教授でもある婦長Mercia Georgeさんにより、1991年にアロマテラピーが導入されました。カラーセラピーにのっとって配色された棟内は明るく柔らかく、ナースステーションの天井には青空が描かれています。各部屋にあるスイッチでリラクセーション音楽が自由に選択できるほか、照明、環境ビデオなども積極的に取り入れています。アロマテラピーでは、代表的なラベンダー、ベルガモット、レモン、スイートオレンジなどのエッセンシャルオイルがディフューザー、足浴・手浴法で使われています。事前に各患者のカルテと照らし合わせた上で、エッセンシャルオイルに対するアレルギーや好き・嫌いを確認してから使用されています。看護師たちも忙しい現場で少なからず香りの恩恵を受けているようです。「心臓という身体で最も重要な臓器に障害をもつ」という患者の不安、恐怖を和らげるために、アロマテラピーは大変効果があるそうです。ジョージ婦長は長年看護婦として活躍している一方、西洋医学の「技術崇拝」に疑問をもち、80年代に心理学を勉強しました。その後さまざまな経験から医療現場の心体二分主義に危機を感じ、代替療法導入に至りました。特に心臓疾患者は、生死に直面する場合が多く、回復後も社会復帰できるかなど人生の基本を揺るがされるため、不安・動揺が大きいのです。救急車で運び込まれ、手術、術後の治療などで医療機器に囲まれ、さらに恐怖心が煽られます。突然のできごとに対応できない患者に冷静に話をするためにはまず落ち着いてもらうほかなく、そのためにやさしい香りを漂わせ患者を安堵させるようにします。さらに独特の「病院臭」から連想する暗さ、冷たさを柔らかく暖かいものに変えることができます。生活の場が病院である入院患者にとって精神的な生活の質をよりよく保つことが特に重要です。
ジョージ婦長は、医用技術に偏らない「人間性」「環境」を同等に取り入れた「三者循環治療」を強く主張していました。看護師として痛感した現場の経験から、解剖・生理学などを中心とする従来型の医療に代えて、「患者」を「個人」として扱う医療を目指しています。そして、最近逝去されたご主人の手足をラベンダーなどの精油でマッサージした際、痛みが和らいだ経験をしたことからお嬢さんの出産時には、柔らかい雰囲気をつくるために無味乾燥とした病院の分娩室にライトやバーナーを持ち込み、お嬢さんのご主人とともに手足のマッサージ。お嬢さんから「最高のお産だった」と喜ばれるなど、実生活でも広くアロマテラピーを実践されています。
現在ジョージ婦長は忙しい勤務の間にメルボルン大学で教授として教鞭をとり、RMIT(メルボルン工科大)の代替医療グループで研究発表するなど活発な活動をされています。こちらも好奇心旺盛な、やさしい婦長さんです。
一覧ページへ戻る
FAQ