HOME > アロマ環境について > アロマテラピーを愛する人のための環境講座

アロマテラピーを愛する人のための環境講座 アロマテラピーを愛する人のための環境講座
森本 英香   もりもと・ひでか
環境省大臣官房廃棄リサイクル対策部企画課長。環境省各局、「地球環境パートナーシッププラザ」所長、環境大臣秘書官、大気生活環境室長、米国East West Center客員研究員、内閣官房内閣参事官を経て、現職。
はじめに「アロマテラピーと環境」
社団法人日本アロマ環境協会になったことを契機に、本「環境講座」を開講します。

アロマテラピーは、植物のエッセンス(精油)を活用して生きる力を活性化するひとつの技法です。アロマテラピーに携わる方々は、直感的に、また実感として、植物、自然の力、人間と自然・環境との関わりについて知っておられると思います。

いうまでもなく、人間は人間だけで生きているわけではなく、外界、すなわち、植物や人間以外の動物で構成される生態系(ECOSYSTEM)、さらには海や山、地球、月、太陽系といった地球系(GEO-SYSTEM)の中で命をつないでいます。

単に食物連鎖の頂点にいるというだけではなく、心も身体も地球、自然と密接につながっています。例えば、人間の血や羊水の構成が海の成分にほぼ等しいことや、潮の干満と人間のバイオリズムが同調していることなどはよく知られています。

人間と生態系・地球系の環境との関係は、精緻に艶やかに織られた一枚の布のようなものです。人間は、その布の上に乗っているのではありません。その中の一織り、文様の一部なのです。

ご承知のとおりアロマテラピーという概念は西欧をその源としています。しかしながら、その根底にある考え方、すなわち、自然の力によって人間の潜在的な活力を活性化させる、あるいは、人間を精神と肉体に分解し、さらにさまざまな臓器に分解して捉えるのでなく、全体として(ホロニックという言葉がよく使われます)把握するという技法は、漢方医学と同様、東洋的な考え方に近いものがあります。

本環境講座では、人は自然の一部であり、自然の力によって生かされているという視点、人と自然が調和・共生して生きるためにはどうすればよいかという視点から、人間と環境との関係をできるだけわかりやすく紹介したいと思います。
第1講 「地球と生物の共進化」
地球のホメオスタシス(恒常性ーHOMEASTASIS)
今の地球の大気は、酸素20%、窒素78%、二酸化炭素濃度0.04%などその組成はほとんど変動がありません。地球上のすべての地点の平均気温もおおむね一定しています。動物と同じように、いわば、成分の決まった血液と体温をもっていますが、これを地球のホメオスタシス(恒常性)といいます。
もともと、ホメオスタシスという用語は、生物が外部環境の変化に応じて統一的合目的にさまざまな反応をし、体内環境を一定に保つ機能を示すものとして使われました。地球も、同様です。例えば、大気中の二酸化炭素濃度が高くなった場合には、海における吸収量が増えたり植物が光合成を活発に行って固定化(つまり、木の幹にする)するといった形で削減機能が働きます。

地球に命を与えたもの
ところで、このホメオスタシスは、地球の誕生のときからあったわけではありません。生物が数十億年にわたる営みを通じて地球を改造して、多くの生物が生存できる環境を形づくっていったのです。
まず最初に誕生したのが、シアノバクテリア(藍色細菌)。今でも少し田舎に行くと雨上がりの湿った土の上に黒っぽいゼラチン状の塊がへばりついていることがあります。これが、シアノバクテリア(藍色細菌)の一種です。
いかにも日陰者のような地味な存在ですが、実はこの先祖が今のすべての生き物の生存の基盤をつくりました。47億年前に地球が誕生したとき、原始地球の大気は酸素がまったくなく、二酸化炭素や硫化水素など有害なガスが充満していました。シアノバクテリアは、少なくとも25億年前から、せっせと光合成を行い酸素を放出して大気を改造してきたのです。やがて、ある程度酸素がたまると、その役割を植物が引き継ぎました。

温暖化-地球のホメオスタシスの破壊
今日、人間活動の影響、とりわけ、石油や石炭などの化石燃料の大量使用の結果、二酸化炭素濃度がどんどん増えています。その結果、産業革命以降、すでに約0.8度の気温上昇が計測されています。このままでは、21世紀中に最大5.8度上昇するといわれています。地球のホメオスタシスが危機にさらされ、いったん崩れると、加速度的に地球温暖化が進む危険性があります。
まず、温暖化が進むと、日本では、これまで食べてきたおいしいお米がとれなくなり、病害虫の懸念も増大します。暖水性のサバやサンマは増える一方、アワビやサザエ、ベニザケは減少します。日本南部では、マラリヤ感染のおそれが増え、北海道や東北でもゴキブリなどの害虫が見られるようになります。都市ではヒートアイランド現象が進み、海岸では砂浜が減少し、また、高潮や津波による危険地帯が増えるでしょう。
地球全体で見ると、海面がどんどん上昇して多くの島々が海に沈みます。特に、マーシャル諸島やバングラデシュでは高波や洪水の大きな被害が出ます。また、温暖化は異常気象を招き、洪水が多発する地域がある一方、渇水や干ばつに見舞われる地域も出てきます。
こうした気候変動は世界的な農産物の収穫にも打撃を与え、食糧を輸入に頼っている日本は、とたんに食糧不足に陥るおそれがあります。すでにここ数年日本の気候は大きく狂い始めています。頻繁に来襲する台風、夏の異常な暑さなど、皆さんも実感されているのではないでしょうか。
私たちの日々の生活が地球をおかしくしているのです。
温室効果ガスと地球温暖化メカニズム
温室効果ガスと地球温暖化メカニズム 温室効果ガスと地球温暖化メカニズム
温室効果ガスと地球温暖化メカニズム 温室効果ガスと地球温暖化メカニズム
温室効果ガスと地球温暖化メカニズム 温室効果ガスと地球温暖化メカニズム
※会報誌 NO.37より掲載
FAQ