会社を設立せずに事業を開始する場合、その事業は「個人事業」となり、その代表本人は「個人事業主」となります。
■事業開始の届出(個人)
個人事業主は事業を開始するにあたり、「個人事業の開廃業等届出書」を開業後1ヵ月以内に所轄の所得税を管轄する税務署(東京の場合、東京国税庁のホームページhttp://www.tokyo.nta.go.jp/から申請書類を取得することができます)に届け出る必要があります。また、事業税を管轄する都道府県税事務所(東京の場合、東京主税局のホームページhttp://www.tax.metro.tokyo.jp/より申請書類を取得することができます)にも「個人事業開始申告書」の提出をします(所得が290万円を超えると事業税が発生します)。
必要に応じて、「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」や「所得税の青色申告承認申請書」、「給与支払事務所等の開設の届出書」の提出をしますが、詳細については所轄の税務署や税理士にお聞きになるとよいでしょう。国税庁のホームページにも掲載されていますし、最近ではウェブサイト上でもいろいろ手続きについてヒントが掲載されています。
届出をしなかった場合の法的な罰則は特にありませんが、事業を始める以上きちんと届出をしておくべきでしょう。また、毎年の確定申告は必須(翌年の3月15日が期限)です。確定申告を怠った場合、不足の税金を支払うだけでなく、加算税や延滞税などが課されることになりますので注意が必要です。
また、飲食店、料理店、物品販売業を営む店舗、その他の事業所は消防法施行令別表第1に掲げる防火対象物にあたりますので、消防署予防課への防火対象物使用届出書などの提出も必要です(東京の場合、東京消防庁のホームページhttp://www.tfd.metro.tokyo.jp/より申請書類を取得することができます)。
さらに店舗、病院、飲食店などで算定人員が30名以上の場合は防火管理者を選任しなければなりません。防火管理者は防火管理資格講習を防災センターなどで2日間の講習を受けることで取得することができます。
■業種によって届出内容が異なります
開業届とは別に、業種によっては関連省庁などに届出や確認、許可が必要となります。許認可などが必要な業種は多岐にわたり、自治体や地域によって異なることもあるようですので、各自治体に問合せをしてみましょう。例えば、飲食店、喫茶店、食品製造業は、食品衛生法に基づき許可が必要で保健所に届け出、許可が必要です。また、アロマセラピストやインストラクターを派遣するといった業を行う場合は、派遣業の届出が必要です。
では、化粧品を輸入して販売する場合はどうでしょう。化粧品は薬事法によって規制され、化粧品の輸入販売業を営むには原則として許可が必要です。許可の要件としては試験検査設備の設置(ほかの試験検査機関の利用も可能)、保管設備の設置、責任技術者の配置などがあります。また、許可取得後、化粧品を輸入する前にあらかじめ輸入する化粧品の販売名届を提出する必要があります。また、輸出入の際には税関で輸入申告書・輸出申告書を提出する必要があります。
詳しくは事業地の都道府県庁にお聞きになるとよいでしょう。化粧品の製造について許可が必要であることはアロマテラピーアドバイザー講習会でも説明があったことと思います。
■ショップ
基本的に雑貨類を販売するのであれば、業種の許認可は必要ありません。ただし、ご自身でクッキーをつくって販売する、となれば食品製造業の許可が必要となります。多くの場合、保健所が受付窓口となりますので聞いてみるとよいでしょう。ショップで化粧品の販売をする場合ですが、化粧品輸入販売業および化粧品製造業許可を受けた事業者の化粧品を販売する場合は、許可申請の必要はありません。
*手作り石けんの販売について…「石けん」は基本的に化粧品とみなされますので、製造業の許可を受けている製造者がつくった石けんでなければ販売できません。
*試食販売について…試食販売が飲食業にあたるか否かについては、所轄の保健所に相談してみてください。
*ハーブティーなどの食品の販売…食品の販売業許可が必要な項目は、乳類販売業、食肉販売業、魚介類販売業、魚介類せり売営業、氷雪販売業、食品販売業(弁当およびそうざい類に限る)となっています。これらにあてはまらない食品販売の営業許可は必要ありませんが、登録・報告が必要となる場合があります。
■アロマテラピートリートメントサロン
規制する法律がありませんので、基本的には許認可は必要ありませんが、施設内にシャワーなどがある場合は公衆衛生上の問題もありますので保健所に相談してみるとよいでしょう。
■ハーブティーサロン
食品を調理し、お客さまに提供するという営業行為は「飲食業」にあたります。飲食業は管轄の保健所で営業許可をとる必要があります。詳細は管轄の保健所にお問合せください。食品の製造販売については、厨房施設が基準を満たしているか、食品衛生責任者の設置などが条件となります。
■その他
事業を始める場合、屋号や商号について調査することも大切でしょう。また、人を雇う場合には、労働基準監督署、社会保険事務所、公共職業安定所などに届出が必要になる場合があります。その点も合わせて確認しましょう。
また、取り扱い商品のイメージを他人に真似されないよう、ブランドや商標について弁理士さん(特許事務所)と相談することも必要です。
以上、開業にあたっての手続きなどを簡単にご説明しましたが、税務処理、各関連省庁への届出許可など、ご自身でお調べいただき確認をとりながら事業開始に向けて準備を進めることをお勧めいたします。 |