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アロマテラピーの身近な法律相談Q&A
薬事法について
Q-1 精油(エッセンシャルオイル)同士をブレンドして販売することは薬事法違反にならないでしょうか?また、精油(エッセンシャルオイル)と無水エタノール(局方)、精製水(局方)をブレンドし、「香水」として販売してもよいのでしょうか?
Q-2

サロンで精油とキャリアオイルをブレンドしトリートメントをしました。終わった後に余ったブレンドオイルを販売もしくはプレゼント(実際はその分の料金も施術代に含まれています)することは違法なのでしょうか?

「精油=エッセンシャルオイル(以下、精油に統一します)」についての質問がいくつか届きました。皆さんの関心が高いようですね。今回はQ-1、Q-2の質問に順番にお答えすることにしましょう。
A-1 日本において、アロマテラピーに使用する精油は基本的に「雑貨」として扱われています。雑貨同士であればブレンドし、販売したりプレゼントすることに問題はありません。ただし、「医薬品」や「医薬部外品」、「化粧品」とブレンドして販売することは、結果的に「医薬品」や「医薬部外品」、「化粧品」を小分け販売していることになりますから薬事法違反となります。これは、業務上サロンでプレゼントする場合も同様です。

また、香水の類は「化粧品」として扱われています。そのため薬事法により、許可を受けていない者が製造・販売することを禁止されています。よって製造業許可をもたない者がブレンドした「化粧品」を販売することはできません。

 

※薬事法第12条(製造業の許可)
医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療用具の製造業の許可を受けたものでなければ、それぞれ、業として医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療用具の製造(小分けを含む)をしてはならない。

A-2

雑貨として扱われているキャリアオイルと精油は雑貨同士ですから販売またはプレゼントすること自体に問題はありません。ただし、化粧品として売られているキャリアオイルもありますので注意が必要です。

上記2つの質問に対し、まずは結論を申し上げました。ただし、日本にはアロマテラピー行為や、アロマテラピーに精油などを用いることに関し独自に定められた法律は現在のところありません。

アロマテラピーは人や動物の身体に対して行われるものですから、場合によっては法律に違反してしまう可能性も否定できません。今回は、どのようにしたら違法行為になってしまうのか、気をつけるべき点を説明しておきたいと思います。

まず、2つの質問に共通することですが、ブレンドされたオイルを販売・プレゼントする際に効果効能を表現することはできません。
つまり、サロンで精油などの効果・効能を口頭で説明したり、精油等に紹介表示をつけたりすることは薬事法に触れることになります。

薬事法では「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」、「医療用具」それぞれの定義が定められています。そしてその薬事法(無承認無許可医薬部外品等を取り締まる)により、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療用具と誤解されるような表示、広告、口頭での説明をしてはならないとされているのです。

 

※薬事法第68条(承認前の医薬品等の広告の禁止)
何人も、第14条第1項に規定する医薬品又は医療用具であつて、まだ同項(第23条において準用する場合を含む。)又は第19条の2第1項の規定による承認を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

  つまり、効果・効能が保証されている「医薬品」と「雑貨」である精油などが、誤解されるようなことがあってはならないというわけです。

次に、2つの質問ともに共通して気をつけるべき法律がもうひとつあります。
PL法(製造物責任法)です。この法律の基本的な考え方は消費者の保護・救済です。製造物の欠陥により消費者に被害が生じた場合、その製造業者らに損害賠償の責任が生じることがあるというものです。

精油などを自らブレンドするという行為は「加工」にあたるので、ブレンドオイルをつくった者は製造業者ということになります。製造業者らがその製品の欠陥(通常有すべき安全性を欠くこと)により、他人の生命・身体・財産を侵害した場合には原則として、損害賠償責任を負うのです。

もっとも、製造業者等にあたらない単なる小売業者であっても、販売した物が欠陥品であれば、消費者に対する売買契約上の義務違反として、契約の解除や損害賠償責任が生じます。よって、仕入れや保管はもちろんですが、販売の際の表示や説明についても不備がないように注意が必要になります。

特に精油は、空気に触れたり、紫外線、急激な温度変化により著しく成分が劣化するという特性をもっているとのことです。
また、「雑貨」として扱われている精油ですが、医療の現場でも使われることがあるようですから、取り扱いにはプロとしての技術や知識が必要だといえるのではないでしょうか。

 
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  『精油は植物の各部位から抽出した100%天然のものです』という言葉を聞くと、一般的には「自然のものだから大丈夫」「100%天然だから安心」と考えてしまいがちです。しかし、精油は植物の生体内での状態とは異なり、ほとんどの場合、大変濃縮されたものになっているようです。したがって、われわれ「人体」という生体に対しても当然強い生理反応をもつ可能性があるといえるのです。

正しく使うことによって、プラスの作用を得られる反面、誤って使った場合には、マイナスの作用があることも、当然忘れてはなりません。
万が一にも事故が起きて、人体に悪影響を与えてしまったら取り返しがつきません。事故が起きてしまったときに使用された精油の扱いは「雑貨」ではなくなり、資格をもたない人間は取り扱うことができなくなってしまうことでしょう。

そうならないために、アロマセラピストやアロマテラピーアドバイザーは薬事法やPL法に違反していないかどうかを確認することは最低限必要なことといえるのです。そして法律に触れているか否かを確認することで安心するだけではなく、精油などを使用・販売するにあたって必要な知識、新しい情報をどんどん吸収していくことが大切だといえるでしょう。

(回答:弁護士 西村國彦)
会報誌 NO.31より掲載
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