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お客さまにベッドで横になっていただきトリートメントを行っていたところ、ベッドの脚がはずれてお客さまがけがを負ってしまいました。この場合の損害賠償責任はサロン側にあるのでしょうか? それともベッドを製造・販売した会社にあるのでしょうか? |
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トリートメント時にベッドに横になっていただくことは、ほぼすべてのアロマテラピーサロンで行われている行為です。
今回のような事故が起こった原因としては、
(1)ベッドの扱い者(セラピスト)の不注意によるもの
(2)ベッド自体の不備によるもの
が考えられます。つまり、ベッドを扱った者の不注意(例えば、扱い者がベッドの脚につまずいた拍子にベッドの脚がはずれてしまったなど)か、ベッド自体の不備(もしくは不良・不整備)の2点が考えられるわけです。
(1)の場合にはもちろんのこと、(2)の場合においても、ベッドの使い方、整備、もしくは管理に問題があり、サロンはけがをしたお客さまに対し、安全配慮義務違反を犯したとして損害賠償責任があることになります。
判例理論における安全配慮義務とは、「特別な社会的接触関係に基づく信義則上の義務」とされており、一般的な注意義務より高度なものと解されています。そして労災事故、さらには一般の契約関係に至るまで、極めて広い範囲に適用されています。ちなみに(1)の場合には扱い者であるセラピストも連帯責任を負います。
本件においてサロンにはお客さまからアロマテラピーの料金を受領する対価として、単にアロマテラピーのサービスを提供すればそれで足りるというものではありえません。むしろ、お客さまがサロンの施設内において、安全に過ごすことができるように配慮すべきであるといえますから、サロンは判例理論による安全配慮義務を遂行しなければならないものと考えられます。
したがってサロン側は、お客さまが安全に過ごすことのできる諸般の事前措置を行っていない場合には、安全配慮義務違反を理由に損害賠償請求を受けるおそれがあるのです。
安全配慮義務違反は債務不履行責任によるものですから、アロマテラピーサロンが事故に過失のなかったこと、すなわち事故の防止にあたって十分に注意を尽くしていたことを立証しない限り責任を免れることはありません。その意味で安全配慮義務違反を理由に責任追及された場合には、立証責任が転換されてアロマテラピーサロンの負担が過大になるといえます。
ちなみに、安全配慮義務違反の消滅時効期間は事故の発生から10年となっております。
なお、(2)の場合、ベッドを制作したメーカーは一般の故意過失に基づく不法行為責任のほか、厳しく法律化された製造物責任を負います。
サロン側は事故を未然に防ぐため、対策を万全にする義務があることはいうまでもありません。できる限りの事故予防策をとり、事故の発生を最小限に抑え、お客さま、従業員にとって安心できるサロンづくりを心がけていただきたいものです。 |